探さないでください
作者兼主人公の中川学さんは北海道内の中学校に教師として勤務していた。しかし仕事に追い込まれて20代前半に失踪。失踪から15年・・・中川さんは漫画家になってる。

内容は漫画家となった中川さんが15年前の失踪ルートを巡りながら当時の精神状態や悩んでいたことを振り返ったり、失踪により迷惑をかけてしまった元勤務先の中学校に謝りに行ったりするロードムービー要素が入ったエッセイマンガ。

内容自体は重いんですが味のあるイラストが暗い過去をコミカルにそして面白くしてくれます。笑っちゃいけないんですが笑ってしまったり。

失踪中に一人で深く人生を振り返った中川さん。「教師は二度とやらない」など自分の本音と深く向き合います。一人の人間のターニングポイントとなった経験が凝縮された一冊。

中川さんの人となりが伝わって来る失踪時の行動もおもしろい。他人事だからやはり笑ってしまいます。例えば失踪中は両親親からも逃げていた中川さん、しかし弟さんの元には自ら顔を出しに行っていた。しかもすごい軽いノリで!「おっす!来たよ!」的な・・・
中川さんを必死の思いで探していた両親は弟さんからの「昨日、兄ちゃんが遊びきたよ。」という連絡で中川さんの生存を知り安堵するなど。中川さんのマイペース感・・・笑

経験のある人だから言えるリアルなメッセージが詰まっています。
中川さんがいわく
今まで「不安」を人生の選択の基準にしてきたことがよくなかった。
教師を選んだのは公務員には「不安」がないと思ったから、勉強したのも「不安」を減らす為、運動部に入ったのは文化部だと舐められるから・・
社会人になると人間は「不安」だけをエネルギーに頑張り続ける事はできないとわかった。

中川さんのカッコつけない本音の言葉。社会や周囲からのプレッシャーに苦しんでいる人には響くメッセージがきっとみつかる一冊です!

探さないでください
中川 学
平凡社
2016-12-19